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会社のサイトの管理画面を開こうとしたら、「このIPアドレスからは入れません」みたいな画面が出て固まったこと、ありませんか。IPアドレスって、ネットの住所みたいなものですよね、たぶん。それが「固定」だと何かいいらしくて、「固定IPが要る」という話も、「VPNで済むよ」という話も見かけたのですが、どっちが自分の話なのかが分かりません。そもそも、うちのネットに固定IPがついているのかも知りません。で、結局、うちには要るんですか、要らないんですか。とにかく「固定」が何を固定しているのか、そこからまったく分かっていません。
固定IPが要るとわかって、NordVPNやExpressVPNを考えるなら、固定IPが付くプランの料金をNordVPNのプラン選びとExpressVPNの料金と評判の記事に並べています。
結論|固定IPが要るのは、接続先がIPで絞っているとき。1個ならマイIP
個人が固定IPを必要とする代表的な場面は、接続先が「決まったIPアドレスからのアクセスだけを通す」という設定にしているときです。そうでなければ、まず固定IPは要りません。要るとわかったら、自分ひとりで使う1個なら、インターリンクのマイIPが軽い選び方です。分かれ道は次の図のとおりです。
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最初の問い
接続先は、決まったIPアドレスからのアクセスだけを通す設定ですか。
固定IPは要りません
次の問いへ
次の問い
その固定IPを使うのは、自分ひとりですか。
1個で足りるマイIPが軽い選択肢
複数人で共有する専用サーバー型
NordVPNをすでに契約しているなら、固定IPを足す方法もあります。フレッツ光の回線どうしで、自宅や拠点の機器に入りたいだけなら、固定IPを使わないIPv6ダイナミックDNSという道もあります。この2つは、後の節で扱います。
固定IPが要る場面は、接続先がIPで人を絞っているとき
固定IPとは、接続するたびに変わらないIPアドレスのことです。変わるIPのままだと困るのは、接続先が「このIPアドレスからだけ入れる」と決めているときです。インターリンクのマイIPの活用事例などを見ると、その場面は次のように並びます。
| 場面 | 固定IPが役に立つ理由 | 出典 |
|---|---|---|
| SSH・FTPでサーバーを保守する | FTP接続を固定IPのアドレスだけに許可して、安全にアクセスできる | インターリンク マイIP 活用事例 |
| WordPressの管理画面を守る | 管理画面へのアクセスを固定IPに制限すると、ハッキングなどの被害防止につながる | インターリンク マイIP 活用事例 |
| 顧客管理システム・グループウェア・Webカメラ | 管理画面やWebカメラへのアクセスを固定IPのみに制限して、情報漏えいを防ぐ | インターリンク マイIP 活用事例 |
| 勤怠管理・経費精算などの外部サービス | サービス側にIP制限があっても、職場と同じIPアドレスで入れる | MillenVPN 専用サーバー |

もうひとつの場面は、外にいるときです。マイIPのページは、ワイモバイルのPocket WiFiやWiMAXなどのモバイル通信、LTE通信やテザリング、出張先のホテルやカフェから固定IPを使いたい人を、利用者像に挙げています(出典: インターリンク マイIP)。
みつき
カフェのWi-Fiで管理画面を開く前に、いま自分のIPはどこのものになっているんだろう、とふと考えることがあります。
固定IPが要るかを3問で見分ける
迷ったら、次の3つを上から順に確かめます。
- 1接続先の絞り込み設定
- 2いまの回線のIPの動き
- 3使う場所
1問目は、接続先の設定画面に、IPアドレスで接続を絞る項目があるかどうかです。サーバーの管理画面やFTPの設定にその項目があり、実際に絞りたいなら、固定IPが要る側です。IDとパスワードだけで入れるなら、ここで答えが出ます。
2問目は、いま使っている回線のIPアドレスが変わるかどうかです。インターリンクはマイIPを、固定IPアドレスが提供されないプロバイダーやネットワーク環境からでも使えるサービスだと説明しています(出典: インターリンク マイIP)。回線によっては固定IPが提供されない、ということです。調べるときは、同じ回線で日をおいて自分のIPアドレスを2回見ます。数字が変わっていれば、固定されていない回線です。
3問目は、使う場所です。自宅の1か所だけなら、回線側で固定IPが提供されていれば足ります。出先やモバイル回線からも同じIPで入りたいなら、VPNを経由して固定IPを使う方式が向きます。
IPアドレスを変える手段を並べて見たいときは、IPアドレスを変えたいときの手段|再接続・VPN・固定IPの違いが入口になります。
固定IPを用意する方式は4つ。どこが違うか
この記事で比べるのは、次の4つです。
こんな人なら
マイIP(インターリンク)
ひとりで1個
自分ひとりで1つの固定IPを使いたい人。固定IPが提供されない回線でも、VPN経由で固定IPになります。
こんな人なら
NordVPNの固定IP
契約中の人向け
NordVPNをすでに使っていて、固定IPだけを足したい人。
こんな人なら
MillenVPNの専用サーバー
複数人で共有
複数のスタッフで、1つの固定IPを共有したい人。
こんな人なら
IPv6ダイナミックDNS(NTT東日本)
固定IPなし
フレッツ光の回線どうしで、自宅や拠点の機器へ入りたい人。
並べると、固定IPの数、月額、前提、使い始めの4点が分かれ目です。
| 項目 | マイIP | NordVPNの固定IP | MillenVPN専用サーバー | IPv6ダイナミックDNS |
|---|---|---|---|---|
| 固定IPの数 | 1個(ソフトイーサ版は1〜128個) | 好きな数だけ購入(同時接続は最大10台) | 専用固定IP(複数アカウントで共有) | 固定IPではなく、ドメイン名で結ぶ |
| 月額(税込) | 1,100円 | 固定IPとして別に購入し、自動更新 | 2,310円から(ソロ) | 5ドメインまで550円 |
| 前提 | 別のネット接続回線 | 有効なNordVPNサブスクリプション | 12か月以上の契約 | NTT東日本のフレッツ光・光コラボ |
| 使い始め | 最大2か月の無料体験から。クレジットカード払いなら即日 | 所在地の指定から、設定の完了まで最大3営業日 | お試し期間なし | カード登録後すぐ |
個人ひとりで使うならマイIP。1個で足りるときの選び方
マイIPは、月額1,100円で固定IPを1個使えるサービスです。初期費用は無料です(出典: インターリンク マイIP・料金ページ)。特徴は次の3点です。
接続方式が選べる
PPTP・L2TP・IKEv2のほか、高い接続性と速さが特徴のWireGuardに対応しています。
アプリで始められる
専用のマイIPアプリは、ユーザー名とパスワードを入れるだけで設定できます。WireGuardには対応していません。
別の回線が前提
ネット接続そのものは提供しないので、フレッツ光やPocket WiFi、WiMAXなどの接続環境を先に用意します。
組み合わせによっては使えないものがあります。Android 12以降では、L2TPが使えません。macOSとiOSでPacketiX VPNやSSTPを使う場合は、App Storeの有料アプリを買う必要があります(出典: インターリンク マイIP)。固定IPを複数使うなら、マイIPソフトイーサ版が、月額1,320円に固定IPの数を掛けた料金で、1〜128個まで対応します。
月額が公式ページに載っている方式を、安い順に並べるとこうなります。
マイIPを使い始めるまでの流れ
インターリンクのサービスは、すべて無料体験から始まります。体験のあとに課金が始まり、クレジットカード払いなら、申し込んだその日から使えます(出典: インターリンク マイIP・申し込みの流れ)。
- 1
無料体験に申し込む
体験期間のあと、サービスの課金が始まります。
- 2
支払い方法を選ぶ
クレジットカード、NTT支払い、口座振替のどれかです。NTT支払いは申請と本人確認書類の提出が要り、手続きの完了まで3〜7営業日程度かかります。口座振替は、申請内容の送信と、預金口座振替依頼書の原本の郵送が要ります。
- 3
アプリなどで接続する
専用のマイIPアプリか、使うOSの接続方式で設定します。
- 4
接続の前に注意点を読む
末尾の「使い始めてからつまずきやすいところ」の節にまとめています。
無料体験の長さは最大2か月で、体験の期間内に退会すれば、費用は一切かかりません(出典: インターリンク VPNかんたん選択ガイド)。
無料体験の期間(最大2か月)
期間内に退会すれば、費用はかからない
体験のあと
サービスの課金が始まる
みつき
無料体験は、続けないならいつ手続きするのがいいのか、始める前から少し気になりました。
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NordVPNの固定IPは、すでに契約している人が足す形
NordVPNで固定IPを使うには、有効なNordVPNサブスクリプションが先に要ります。VPNの契約に、固定IPを追加する形です(出典: NordVPN公式サポート「固定IPアドレスの購入方法」)。
追加のタイミング
初めての契約ならチェックアウトで、契約済みならNordアカウントやWindows・Macのアプリから、固定IPを追加で買えます。macOSのアプリで買う前には、OpenVPNへの切り替えが要ります。
台数の上限
固定IPは好きな数だけ買えます。同時に接続できるのは、1アカウントで最大10台です。
更新の扱い
Nordアカウントで買った固定IPは、自動で更新されます。クーポンで買った固定IPは自動更新の対象外で、更新するときは手動で買い直します。
固定IPの所在地を指定してから設定が終わるまでは、最大3営業日かかる場合があります。固定IPの契約期間は購入日から始まります。固定IPを買うと、メールアドレスがそのIPアドレスにリンクされます。不要になったら、Nordアカウントで自動更新を止められますが、これは返金とは別の扱いです(出典: NordVPN公式サポート「固定IP:更新とキャンセル」)。
すでにNordVPNを使っている人が、固定IPを足す使い方に向きます。同時接続の数え方はVPNを同時に何台まで使えるかの記事に、プランの中身はNordVPNのプランの記事にまとめてあります。
MillenVPNの専用サーバーは、複数人で共有する形
MillenVPNの通常のプランは、グローバルで数万個以上のIPアドレスから、ランダムに払い出される動的IPです。MillenVPN Nativeには、一部に固定IP用のサーバーがあります(出典: MillenVPN 料金ページ)。複数人で1つの固定IPを共有するなら、専用サーバーが候補です。
専用サーバーは、複数のスタッフで共有できる固定IPを使って、アクセス権を調整できます。スタッフごとのIPアドレスにアクセス権をつける方法に比べて、管理コストを減らせると説明されています。リモートワークや出張先からでも職場と同じIPアドレスで入れるため、IP制限のある外部サービスを、複数人で分担して扱えます(出典: MillenVPN 専用サーバー)。
12か月〜
契約期間
なし
お試し期間(返金保証の対象外)
無制限
デバイス数
料金はプランごとに、アカウント数が増える形で上がります。
どのプランも、初期費用は無料で、対応するのはIKEv2とOpenConnect、リージョンは日本(東京)です。専用サーバーのIPアドレスを変えたいときは、マイページから依頼します。ひとりで1つの固定IPがあれば足りる人には、12か月以上の契約と、この料金の組み合わせは重くなります。
VPNを使わない道。IPv6ダイナミックDNSでフレッツ光どうしの機器をつなぐ
NTT東日本のIPv6ダイナミックDNSは、ドメイン名と、動的に割り当てられるIPアドレスを、事前に登録しておくサービスです。IPアドレスが変わっても、新しいIPアドレスがダイナミックDNSサーバに通知されて紐づけが保たれるので、固定IPなしで拠点間の通信環境を作れます(出典: NTT東日本 IPv6ダイナミックDNS)。
IPアドレスが変わる
回線に割り当てられるIPアドレスが変わります。
新しいIPアドレスを通知する
届け先は、ダイナミックDNSサーバです。
ドメイン名はそのまま
紐づけが保たれ、同じドメイン名を使い続けられます。
見分けどころ
ダイナミックDNSが結ぶのは、ドメイン名とそのときのIPアドレスです。IPアドレス自体が固定になるわけではないので、接続先が決まったIPアドレスだけを通す設定なら、前の方式が候補になります。
特別な装置は要りません。ルーターやIoT機器にドメイン名を設定すると、機器の間で、インターネットを経由しない閉域の通信ができます。Webから申し込み、クレジットカードを登録するとすぐ使えます。拠点ごとにフレッツ光の契約が要り、通信に必要な機器は自分で用意します。

初期費用は不要で、5ドメインまでの基本機能が月額550円です(出典: NTT東日本 IPv6ダイナミックDNS)。
対象は、NTT東日本のフレッツ光と、NTT東日本から提供を受けた光コラボレーション事業者の光回線で、NTT東日本の提供エリア内に限られます。ベストエフォート型のため、通信速度・通信品質・常時接続性は約束されていません。ルーターの設定画面を開く流れは、VPNルーターの記事の設定の流れの節が参考になります。
みつき
ここは、契約書でフレッツ光かどうかを先に見たくなる節です。
使い始めてからつまずきやすいところ
接続のあとに先にやること
マイIPやマイIPソフトイーサ版に接続すると、ファイアウォールを入れていないパソコンは、インターネット上から無防備になります。パソコンのファイアウォールを設定してから使います(出典: インターリンク マイIP・申し込みの流れ)。
場所の事情で動かないこともあります。NordVPNは、インターネットの利用が制限されている国から接続すると、固定IPの動作に問題が生じる可能性があると案内しています。インターリンクも、特定のサイトやサービスにアクセスできない国からの利用はサポートしていません。利用場所のネットワーク構成によっては使えない場合があるため、体験期間中に使えるかどうかを試します(出典: インターリンク マイIP、NordVPN公式サポート)。
接続できたら、自分のIPアドレスを調べて、固定IPに変わっているかを見ます。つながらないときの見直しの順番は、VPNがつながらないときの記事にまとめてあります。
みつき
自分のIPアドレスを確かめるページって、どれを開けばいいのか、いつも少し迷います。
まとめ
サービス全般の選び方は「VPN比較の記事」も参考になりますが、固定IPの場合は、まず接続先の設定画面にIPで絞る項目があるかを見るところからです。
契約の重さは方式でかなり違う。縛りの有無も見て選ぶ
マイIPは最大2か月の無料体験があり、専用サーバーは12か月以上の契約でお試し期間がありません。
今日もモノサシを片手に、良い比較を。
— モノサシ屋みつき
